審問


ぜったいに 忘れないからね 
そう 誓ったはずなのに 

あなたの声を 
あなたの香りを
あなたの手触りを

どうして 思い出せないの 

忘れてゆくことは 仕方がないと 
誰かが言ってた
そうかもしれない

でも
忘れたくないことまで
忘れてしまうのは
どうして

忘れたいことばかり
思い出してしまうのに
忘れたくないことを
思い出せないのは
どうして

かわりばえしない、またとない一日。

散文で綴る生の断片

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