アジサイ


ああ アジサイが 咲いている 
めぐみの雨を 待ちわびて 
水玉もようを 身にまとい 
みじかきいのちの 灯をともし 

ああ 少年が 天あおぐ 
めぐみの雨を 待ちわびて 
水玉しずくが ほほ伝い
だれにも言えない 傷かくし 

もう アジサイは 知っている 
あの少年を 待ちわびて
水玉もようを 身にまとい
だれにも見せない 傷てあて

少年だけが 知っている 
あのアジサイの 傷てあて 

かわりばえしない、またとない一日。

散文で綴る生の断片

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