いっそすべてを流すなら


いっそ すべてを流すなら 
わたしの記憶も 連れてゆけ 
未練も 痛みも 感じぬように 
あとかたもなく 押し流せ 

いっそ すべてを壊すなら 
こころの壁も うちくだけ 
争いごとなど 起こらぬように 
あとかたもなく 押し流せ 

せめて遺された虚無の地に 
一葉の芽吹きが あるように 

かわりばえしない、またとない一日。

散文で綴る生の断片

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